樹木の生きる場所 ②  ダケカンバ(知床半島、野付半島)

2015年09月20日 16:59

 

      流氷が流れ着くオホーツクの海岸  … 

           地元の釣り師? 左腰に大きな魚籠を付け…  オジロワシが舞っていた。

 

 

  羅臼の海沿いを走る87号線、その崖地に生きるダケカンバ(海抜20mほど)

 

 

    海に面して崖が続く海岸段丘、その上に何本かの白い木が見えました。・・・ 実際には樹木を見るために船に乗って海にでたという記憶はありません、しかしあるとき、遥か昔にそんな景色を見たことがあるような気がしました。 その場所は知床半島で、白い木はダケカンバだったと思っています。 テレビの映像であったのか、夢であったのか? 今では定かではありません。
 

   適応性があるダケカンバは、北は千島列島やカムチャッカ半島、そして北海道から南下して、紀伊半島や四国の高地にまで分布を広げています。 彼らはカバノキ科の高木で、条件が良ければ20mくらいにまでなりますが、稚内、網走、宇登呂、羅臼、納沙布などと同様の、年間平均気温が6~7℃の亜寒帯域(亜高山帯)に生きる樹木です。日本の中部域の山では、広葉樹のブナや針葉樹のウラジロモミが1,200m前後(山地帯)に棲んでいますが、ダケカンバはそれよりずっと高い1,700m付近~2,500m(亜高山帯)の森林に棲んでいます。

 

           

  群馬県沼田の山中、                    大菩薩 登山口、

        径120㎝ほどのブナ             径40㎝ほどのウラジロモミ  

 

    以前、甲斐駒ヶ岳で亜高山帯の上部、森林限界から抜け出して高山帯に入り込んでいた樹高50㎝ほどのダケカンバに出合いました。 2,500mを越える山では 冬の寒気と風雪のため身を低くしないと生きていけません。 

   

    その高山で出会ったダケカンバから、1,000Kmほど北に行った知床半島など、道東の海岸段丘上には実際にダケカンバが生きている、また海抜0mにも生きていることが、事前の調査で分かりました。
 

    その姿を確かめるために、2009年10月末から数日間、列車とレンタカーを使い、網走から斜里、知床峠、羅臼、野付半島、霧多布、立岩、釧路と道東の樹木探しに行ってきました。添付資料にその時の様子を記しました。ぜひご覧ください。
資料:★ 北海道の低地や海抜0mに生きるダケカンバ探し 2018.3.20.docx (9161078)
 

 

    ダケカンバは寒冷地にまで進出します。特に積雪や風雪などが厳しい所ではその気象状況に逆らえず幹や枝が折り曲がってしまいます。それは大自然と一所懸命に戦って生きている姿なのです。
参考までに、その写真などが載っている情報を紹介します。

had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/betulaceae/dakekanba/dakekanba.htm